これまでに本邦から約60例の報告がある.また,「脳腱黄色腫症の実態把握と診療ガイドライン作成」研究班が実施した全国調査では,2012年9月~2015年8月の3年間に日本全国で40例の脳腱黄色腫症患者の存在が確認された6).
一方,ExAC (The Exome Aggregation Consortium)と呼ばれるコントロール集団のデータベースを用いたCYP27A1遺伝子の病原性変異頻度の検討による本症の頻度は,ヨーロッパ人で134,970~461,358人に1人,アフリカ人で263,222~468,624人に1人,アメリカ人で71,677~148,914人に1人,東アジア人で64,267~64,712人に1人,南アジア人で36,072~75,601人に1人と推測されている7).この推測が正しいと仮定すると本邦の患者数は1,000例以上となり,非常に多くの未診断患者が存在する可能性がある.本邦の全国調査の結果では診断までに平均で16.5 ± 13.5年を要しており,特に小児期の未診断例が多いと予想される6).
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