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脳腱黄色腫症の診断基準

A 症状

  1. 腱黄色腫
  2. 進行性の神経症状*または精神発達遅滞
  3. 若年発症の白内障
  4. 若年発症の冠動脈疾患
  5. 小児~若年発症の慢性の下痢
  6. 若年発症の骨粗鬆症
  7. 新生児~乳児期の遷延性黄疸・胆汁うっ滞

*進行性の神経症状としては,認知機能障害,小脳症状,錐体路症状,錐体外路症状,けいれん,脊髄性感覚障害,末梢神経障害などの頻度が高い

B 生化学的検査所見

血清コレスタノール濃度4.5 μg/mL 以上
(健常者の平均値 ± SD: 2.35 ± 0.73 μg/mL)

C 遺伝学的検査

CYP27A1 遺伝子の変異
(変異をホモ接合体または複合へテロ接合体で認める)

D 鑑別診断

以下の疾患による血清コレスタノール高値を除外する.

  • 家族性高コレステロール血症
  • シトステロール血症
  • 閉塞性胆道疾患
  • 甲状腺機能低下症

上記疾患の鑑別が困難な場合や上記疾患と脳腱黄色腫症の合併が否定できない場合は,CYP27A1遺伝子検査を実施する.CYP27A1遺伝子の病原性変異が確認された場合は,上記の疾患を合併していても脳腱黄色腫症の診断が可能である.

<診断のカテゴリー>

Definite:
Aの1項目以上+B + C+ D
Probable:
Aの1項目以上+B + D
Possible:
Aの1項目以上+B