厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)
脳腱黄色腫症の実態把握と診療ガイドライン作成に関する研究班
原発性高脂血症に関する調査研究班
研究代表者 関島良樹
信州大学医学部 脳神経内科,リウマチ・膠原病内科
脳腱黄色腫症は、種々の神経症状、腱黄色腫、動脈硬化、白内障、骨粗鬆症、下痢、胆汁うっ滞など多彩な症状を呈し、未診断例が多く存在すると考えられます。一方で、近年の研究の進展により、ケノデオキシコール酸やスタチン製剤などによる有効な治療法が確立されつつあり、本症を正確に早期診断し、適切に治療を行うことは非常に重要です。
脳腱黄色腫症の実態把握と診療ガイドライン作成に関する研究班では、2015年~2016年にかけて本症を診療されている全国の先生方にご協力頂き、脳腱黄色腫症に関する全国調査を実施させて頂きました。その結果、2012年9月~2015年8月の3年間に日本全国で40名の脳腱黄色腫症の患者さんが医療施設で治療を受けられていることを確認しました。全国調査の結果は、2018年に論文発表しました(Sekijima Y, et al. J Hum Genet 63: 271-280, 2018)。
また当研究班では、全国調査の結果を基に本症の診断基準の改定案とガイドラインを作成し、日本神経学会の承認を得ました。さらに脳腱黄色腫症の遺伝学的検査体制を確立し、本ホームページから申し込んでいただけるようにしました。
脳腱黄色腫症に関するご質問、遺伝学的検査のご依頼、改訂診断基準やガイドラインに関するご意見などありましたら、遠慮なく当研究班にお問い合わせ頂ければ幸いです。
2018年6月